胃炎・胃潰瘍

胃炎・胃潰瘍 -1-

ストレスによって起こる身体症状の代表的なものが胃炎や胃潰瘍などの疾患です。

胃を患ったことのない人はいないのではないか、というほど胃は繊細にできています。

胃炎は胃の炎症のことで、胃潰瘍は胃酸が原因でできる潰瘍を有する疾患のことです。

まず、食べ物が口に入って胃に到達するとそこで胃液が分泌されます。

胃液の役目は、食べ物を溶かして柔らかくすることです。

胃液の主な構成成分は、強い酸性の胃酸や消化酵素でこれらによって胃の中は酸性に保たれています。

そして、胃液から胃を保護しているのは、胃の粘膜です。

粘膜はアルカリ性で、胃が胃酸などで荒らされないように保護しています。

つまり、胃の中では、酸性である攻撃因子とアルカリ性である防御因子により、バランスが保たれているのです。

そのバランスが崩れると、胃の粘膜が弱り、粘膜が直接胃酸にさらされてしまいます。

このような流れで胃壁が荒れてしまうことを「胃炎」胃壁完全にえぐり取られてしまった状態を「胃潰瘍」と呼びます。

アルカリ性の胃の粘膜が脆弱化する要因で最も多いものは、ピロリ菌感染です。

そのほかの胃潰瘍になる原因には、非ステロイド性抗炎症薬などの薬、刺激の強い食べ物などが挙げられますが、ストレスもまた胃炎や胃潰瘍の大きな原因になります。

それでは次に、ストレスが具体的にどのような形で胃に影響を与えるか、また胃炎・胃潰瘍症状について説明します。

胃炎・胃潰瘍 -2-

ストレスが胃に及ぼす主な影響は、以下の項目通りです。

  • 自律神経の働きを乱す
  • 胃酸過多状態になる
  • 胃の収縮を引き起こす
  • 胃の運動機能の低下

自律神経が乱れれば胃内部の酸性・アルカリ性のバランスが崩れ、胃に何かしらの疾患が起こることは想像に難くないでしょう。

ストレスによって胃内部のバランスが崩れ、その中で酸性物質が多くなれば、胃の粘膜はあっという間に荒れたり穴が開いたりします。

胃の運動機能低下もまた、胃炎や胃潰瘍と深くつながっています。

胃の運動機能が低下すれば、食べ物の消化不良が起こるからです。

そうすると、胸焼けや吐き気といった症状を伴い、非常に大きな不快感に悩まされることになります。

このようにして、胃にはストレスによって様々なことが起こりうるのです。

胃炎・胃潰瘍の主な症状は、以下の10項目です。

これらの項目に該当するものが多ければ、まず胃炎・胃潰瘍を疑ってみるべきでしょう。

ストレスを感じ、更に胃の不調を感じる人がいれば、すぐに内科を受診して調べてもらう必要があります。

胃炎の場合は、適切な治療により1週間程度で回復が可能です。

しかし、胃潰瘍になると、最悪の場合は手術をしなければならず、完治まで数ヶ月を要することになります。

胃はストレスを敏感に感じやすいところです。

もし胃の不調があるとすれば、自分の生活全体を見直すべき時なのだと思います。