薬物依存

薬物依存

薬物依存とは、かつて「薬物中毒」といわれた疾患ですが、厳密には、

  • 同種・同量の薬物を断続的に過剰摂取した結果、薬物耐性が形成される
  • 薬物に対する渇望感が強い
  • 薬物摂取量が減った際に深刻な離脱症状を伴う

の3点を満たした精神疾患のことです。

薬物依存を引き起こす主な薬剤は、向精神薬や鎮静・催眠薬です。

鎮静・催眠作用があるものの中で広く社会で好まれているのはアルコールです。

ですから、アルコールへの依存度が高いとアルコール依存症になります。

また、覚せい剤など法のもとで厳しく管理されている薬も依存度は高いのですが、覚せい剤と同じ効果のあるものにニコチンやカフェインが含まれます。

つまり、広義では喫煙やコーヒーの飲みすぎも薬物依存の対象になり得るのです。

薬物依存が起きる大きな原因は、脳の変形や萎縮です。

また、脳の神経系に異常をきたすので脳内バランスが崩れ、言動や挙動不審など、人として不自然な態度になりがちです。

しかし、依存し始めるきっかけになるのは、やはりストレスです。

むしゃくしゃする気持ちや多幸感の薄い状態が長く続くとそこから逃れたくなります。

アルコールやたばこは合法的に購入できますが、覚せい剤やコカインへの依存は、それらを購入する莫大なお金が必要なため、犯罪行為に走るケースが多くなります。

そういう意味で、人生そのものをダメにしかねない、重大な疾患であるといえます。